2018-01-01から1年間の記事一覧

巨大な3cm

幼少期から枕を使うことなく寝てきた。しばしば首を寝違えていた幼いワタナベ少年はある日接骨院で枕を使わないことをおすすめされ、ダメもとで床に首を据えて以降ぱったり首周りを痛めることがなくなったことがきっかけだった。低反発枕、超高級枕、未知と…

貴方の日常に彩りはあるか

非日常は良くも悪くもあっという間に日常へと変貌を遂げるもので、異国の地での生活はすっかり自分の無意識に溶け込んでしまった。買い物、食事、移動、日常の一つ一つの動作行動に一定の緊張感を持ち続け、見るもの聞くもの全てが新鮮に映った半年前に比べ…

妻が帰国したので出会い系を始めてみた

幾分かの語弊を孕みつつも、妻帰国に伴い(広義)出会い系を始めてみた。誰かと会話のない生活というのはこれ程までに思考を停滞させ活力を削ぐものかと妻帰国後3日目にして痛いほど実感し、何とかして会話相手を探したかったワタナベ青年の脳裏にはまず街へ繰…

海沿いの我が家

今住んでいる自宅は海と街のちょうど中間地点に位置し、各々5分も歩けば辿り着けてしまう好立地にある。まるで幼女がおままごとで「はいここお家、はいここビーチ、はいここ何でも屋さん」と全コンテンツを窮屈な砂場に詰め込んだかのような、もしくはまるで…

おもろいボーイ

遂に妻の子供と見間違えられた。「若く見られるのは良いことだ」と日々優しい言葉をかけて頂くことが多くなったのもひとえに国外に住み出して以降ヤンガーに判別されることが格段に増えたからに他ならない。そしてそのようなフォローを貰うたび自分は如何と…

自撮ラー アヴドゥル

先日飛行機に搭乗した際、アラブ人のおっさんとの出会いがあった。出会いと言っても互いに交友を深めた訳でもなければ言葉を交わした訳でもない。あちらはこちらのことを認識すらしておらず、ただ自分が一方的かつ強烈におっさんを観察させてもらうばかりだ…

トイレのプリウス

大変汚い話になってしまうことを先んじてお断りしたい。 この国の人たちはすごい勢いで「大」なさる。自分の持つオノマトペ辞典ではとてもカバーできない騒音をかき鳴らして排泄給わる。隣の個室から「小鹿でも誕生したのかな?」と思わせるような壮絶なドラ…

キングボンビーが登場するとき

14:00 カンファレンス会場に到着 14:05 駐車場で号泣する女性とそれをなだめる男性を目撃 14:10 会場入り口まで来るも閑散具合に違和感を覚える 14:11 念の為カレンダーに登録した会場を再確認、住所の誤りを発見 14:15 駐車場に戻る まだ女性は号泣している…

全身タイツのキャメロンディアス

我が家の駐車場ゲートが開けっぱになっていることしばしば。この種の無精はもう慣れっこだ。 道行く車が車線を無視して蛇行する光景は当然のこととして受け入れられるようになった。左ウィンカーを出しながら右折するセダンも、中央分離帯を跨ぎながら運転す…

全裸でハットトリック

「ちゃんと服着てる!えらい!」 「コップでお水飲んでる!えらい!」 「一人で起きてこれた!えらい!」 我が家で飛び交う誉め言葉三段活用だ。飛び交うと言ってもこれらの称賛は決して交錯することはなく、常に嫁から自分へと一方的に放たれ続ける。長い訓…

スマホ片手に浦島太郎

これ程までにSNSが発達した時代で日本昔話通りの浦島太郎状態などどう転んでも起こり得ず、自分が帰国する際に生じうる問題を想定するには現代にフィットする形で物語を刷新&シミュレーションせねばなるまい。はじまり、はじまり。 昔々、まだ若者たちがmixi…

カレー味のカレー

先進国・途上国という分類は相対化の産物であることに一片の疑う余地も挟ませないが、24年間日本から一歩も外に出ることなく縁側で緑茶を飲んでは炬燵で蜜柑をほう張り風鈴の下でそうめんを啜って生きてきたのほほん純ジャパな自分には身体経験的な比較対象…

僕らを取り巻く倍音

純白の洋食器。 艶やかな丸みに包み込まれたようなシルエットの中、滑らかなエンボスで設われたローズの淵には、見る角度によって可愛らしくコロコロと笑いかけるような光が踊る。純真無垢な白さの上に天使が降り立ったかのような温かな輝きは、気高くもどこ…

おっぱいを1サイズ上げていこう

「モテる車」「人気の車」「乗りたい車」ちょっとググればそんな好評が並ぶミニクーパー。 「かわいい」「嫌いな人はいない」「彼氏に乗って欲しい」もうちょっとググればそんなベタ褒めの応酬に晒されるミニクーパー。 そんなミニクーパーに乗っている。誰…

ステラおばさんと室伏広治のハーフ

大正義アマゾンプライム先輩様様の日本での活躍ぶりと言ったらそれはもうThe大車輪と喩えるに相応しく、その貢献度をタイヤ径で模るならばさながらみなとみらいの観覧車級を想像して頂いて差し支えない。消耗品が切れればamazon。生活必需品もamazon。プレゼ…

ハクトウワシ男爵

近所の銭湯に、初めて足を運んでみた。 そもそも自分の銭湯経験といえば大学時代、いわゆるスーパーウェイ銭湯ウェイ的な施設にウェイなノリで幾度か行ったばかりで、日常生活の一部として落ち着き払って臨む銭湯は今回が初めてのことだった。 中に入ると屋…